落ち込みやすい思考パターン

うつ病や不安障害の方、落ち込みやすい方には、ある種の共通した思考パターンがあります。そのあたりを思考日記をつけながら詳細に検討するのが認知行動療法です。一般の精神科臨床ではなかなかそこまでやれず、歯がゆい思いはあります。損な思考パターンを知っておくと、落ち込みの修正に役立つと考えます。
落ち込みやすい思考の代表例は「全か無か思考」です。ものごとを100か0かで考え、中間の存在を認めません。100パーセントの完成度でなければ無駄だから、最初からやらないとか、他人は絶対に信用できる人か、全くの敵かなどです。そう考えてしまうと、100のものなんかあまりないので、たいてい「0」や「無」ということになります。これは、神経をすり減らします。30から60ぐらいで満足したほうがいいことがたくさんあります。中間を許す度量を身につけたいものです。