春はどういう季節か

春というと、「今年もまた落第と決まった」という、安岡章太郎の落第もの小説の一節が思い出されます。私も出身の医学部を落第ばかりしていたのでした。もう卒業できないだろうなあとも思っていました。というか、同一学年を3回以上やっているので、現行規定だと強制退学になり、卒業できてませんし医者にもなれていません。
要するにいい年をして学校に行けず、ただだらだらとその日暮しをしていたのでした。「ああ、三十過ぎてこのざまか」など、5畳一間の安アパートで涙にくれていた記憶もあります。あの時には戻りたくないなあ。