変わった先生
はるか昔、修業時代の思い出です。
勤務医は当直と言って病院に泊まることがよくあります。その際「検食」という、病院食が出ます。当直している医者は建前上検食を食べて、病院食が適正かどうかみるわけです。
この検食を当直してないのに毎回盗食する先生がいました。盗食とは認知症なんかに見られる、人の食事を食べてしまうことです。いつのまにか病院食がなくなっているわけです。その先生は全くお金に困っていないはずなので、検食を盗食する理由がわかりません。帰宅して自分で食べればいいわけです。自分で作るのが面倒なのか、食費に1円もかけたくないのか。たいしてうまくない病院食を盗食するというのも、怖いものがあります。あまりに毎回盗食されるので、院長に文句を言いましたが、その先生ならしかたないとのお話でした。何がどうしかたないのか、よくわかりません。世の中変わった先生もいるものです。