お金がない頃
思い出したくもないですが、医学部時代は絶望的にお金がありませんでした。6畳もない築30年越えのアパートに住み、金がないのでやることもありません。このアパートは湯沸かし器が故障していましたが、何度言っても修理してもくれませんでした。ああ、30にもなってこのざまか‥と精神を病んでいくのでした(そもそも、30歳大学生で留年を繰り返している時点で精神が病んでおります)。シノギとしては家庭教師ですが、そんなのでは足りるはずもなく、受験本を書いたりいろいろやるわけです(ちなみに本を書いても1冊30万ぐらいしか入らない場合がほとんどです)。それでも生活に窮し、ATMに小銭を入金して残高を1000円以上にして1000円おろすとか、そんなこともよくやっていました。全財産の5000円を持って麻雀に行き、全部スった経験もあります。それどころか、所持金以上に負けて、払いきれないぶんは店に借りるわけです。通称「アウト」。アウトを知っていれば相当ギャンブルで苦労した人と思いますし、医者でアウト経験がある奴も少ないんじゃないかと思います。今私は必要以上に働いている気がしますが、これはアウト時代の恐怖がいまだに尾を引きずっているのは否めません。